厚生労働省では五類感染症に指定された性感染症について、全数報告、定点報告によってその動向を調査しています。

『感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律によって第五類に指定されている性感染症としては、

●HIV感染症/エイズ(全数報告)

●梅毒(全数報告)

●クラミジア感染症(定点報告)

●淋菌感染症(定点報告)

●尖圭コンジローマ(定点報告)

●性器ヘルペス(定点報告)

以上の5感染症があります。

では、上記5感染症の最新動向データをご紹介していきましょう。あなたの性感染症感染予防にお役立てください。

・・◇全数報告の性感染症


厚生労働省のデータによると、平成11年(1999年)から平成24年(2012年)までのHIV感染症、エイズ患者、梅毒感染者の新規報告数は以下のグラフの通りです。


図1.HIV/エイズ・梅毒感染者の推移

グラフからお分かりの通り、HIV感染者は横ばい、エイズ患者と梅毒感染者は増加傾向にあります。それぞれの問題点をワンポイントで言うならこんな感じです。

●HIV感染症

上のグラフを見ると平成20年(2008年)をピークにやや減少か横ばい状態に見えます。ところが、保健所におけるHIV検査の受検数もまた平成20年をピークに下げ止まったままになっています。

従って本当にHIV感染者の増加傾向に歯止めがかかったのか、単に検査を受ける人が減って見つかっていないだけなのか、そこがハッキリしないのです。

●エイズ患者

平成23年には過去最多の報告件数でしたが、平成24年にはやや減少となりました。しかし、平成25年は再び平成23年とほぼ同じペースで報告されており、予断を許しません。

また、ここ最近の傾向として高齢者のエイズ患者が急増しています。今やエイズは薬で発症を防ぐことが可能です。そのためには早期のHIV検査が重要です。高齢者ほどHIV感染に無警戒で検査を受けていないのではないでしょうか。この件は後ほど詳しく取り上げます。

●梅毒感染者

梅毒感染者も平成20年をピークに減少傾向にありました。ところが平成23年から再び増加傾向にあります。しかも、梅毒は全数報告が義務付けられているにも関わらず、実態としては報告されないケースが多々あるのではないかと指摘されています。

HIVよりはるかに感染力の強い梅毒が、どうしてHIVより少ない感染者数で収まっているのか。そんなはずがないと指摘する専門家もいます。本当の感染者数は報告件数の2倍から3倍はいるはずだとも指摘されています。

いずれにしても梅毒は決して過去の終わった性感染症ではなく、現在もなお要注意な性感染症であることは疑う余地がありません。

また、梅毒はHIVとの重複感染が最も多い性感染症の1つであり、その意味でも要注意です。


・・◇定点報告の性感染症


定点報告とは、予め決められた全国970ヶ所の医療機関で報告された件数です。従って感染者全体の件数は分かりませんが、感染傾向は凡そ分かります。


図2.クラミジア・淋菌・性器ヘルペス・尖圭コンジローマの感染者数の推移

グラフをご覧頂いてお分かりのように、クラミジアの感染者数が飛びぬけて多くなっています。それでもクラミジアは男性の50%、女性の80%には感染しても自覚症状が出ないとされており、実際の感染者数は国内に100万人を超えると言われています。

また、定点報告に指定された4種類の性感染症はともに感染するとHIV感染のリスクも増すとされています。それは感染患部が炎症を起こしたり潰瘍になったりするとそこからHIVが感染しやすくなるためです。

グラフを見る限り、平成14年あたりをピークにこれらの性感染症は感染者が減っているかのように見えます。ただ、先ほども書きましたが定点報告の件数であり、全体の感染者数が減っているのかどうかは定かではありません。

例えばクラミジア、淋菌は咽頭感染が近年増加していると言われていますが定点報告に指定された医療機関では見つけにくいと指摘されています。



・・◇性感染症に年齢は関係ない


性感染症と言えば若者の病気、そんなイメージをあなたは持っていませんか?確かにクラミジアや淋菌は若い人に感染者が多いのですが、全ての性感染症が同じ傾向と言う訳ではありません。

次のグラフをご覧ください。


図3.新規エイズ患者の年齢層別分布

これは厚生労働省エイズ動向委員会が発表した、2013年7月~9月の新規エイズ患者のデータです。何と50歳以上に最も患者が多くなっています。

「そりゃそうだろう。エイズは潜伏期間が長いから、若いときに感染しても発症するのは高齢になってからだ。」

あなたはそんなことを思っていませんか?それはちょっと違います。1990年代半ばまでは確かにそうだったかも知れませんが、現在ではHIVに感染していることが分かればエイズ発症を防ぐことが可能です。

従って、50歳以上に新規エイズ患者が多いと言うことは、50歳以上ではHIV検査を受ける人が少ないと言えます。私が思うに若い人より高齢者の方がHIV感染、エイズ発症に対する危機感が薄いのではないでしょうか。

もうひとつ、梅毒感染者のグラフもご覧ください。平成24年における梅毒感染者を年齢層別に表したものです。


図4.梅毒感染者の年齢層別分布

梅毒もまた、60歳以上の男女に非常に感染者が多く報告されています。

こうしたエイズや梅毒の感染者を見てみると、年齢に関係なく高齢者も感染していることが分かります。性感染症は決して若者だけの病気ではありません。50歳以上であろうと60歳以上であろうと感染します。

最後にひとつだけ付け加えます。HIV感染症にしろクラミジア感染症にしろ、あなたが感染しても自覚症状が出にくいのです。自分で感染したと自覚することが難しいのです。

そしてあなたが自分で感染に気付かない間にもどんどん感染は進行します。そこが性感染症の怖い点です。

従って、あなたは自覚症状がなくても感染の不安、心当たりがあればぜひ検査を受けてください。それがあなたと、あなたの大切な人を守るために大事なことです。

*もっとも感染者が多く、しかも自覚症状が少ない性感染症です。
■STD研究所 STDチェッカー TypeP(男性用女性用
クラミジア・淋菌・クラミジア(のど)・淋菌(のど) やっかいな咽頭感染の検査も可能です。

*やはりHIVは一番気になるし、この際まとめて5種類検査。
■STD研究所 STDチェッカー TypeE(男性用女性用
HIV・梅毒・クラミジア・淋菌・B型肝炎 代表的な5つの性感染症がまとめて検査可能です。

■この検査の信頼性
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