性感染症の中で母子感染が発生するものをまとめてみました。

当サイトの「性感染症小事典」には15種類の性感染症を取り上げて解説しています。この15種類のうち、次の8種類の性感染症では母子感染の可能性があります。

HIV/エイズ・クラミジア・淋菌・梅毒・性器ヘルペス・カンジダ症・成人T細胞白血病・B型肝炎以上の8種類の性感染症です。

ではそれぞれの性感染症がどんなパターンで母子感染を起こすのか、次の表をご覧ください。

感染ルート 感染の状況 主な性感染症(病原菌)
胎内感染 母体の血液中の病原菌が胎盤を通して胎児の血液中に感染する。 B型(HBV)・C型(HCV)肝炎・HIV・成人T細胞白血病(HTLV-1)・梅毒(TP)
分娩時感染 産道内に感染している病原菌や、産道内の母体血液中に存在する病原菌が赤ちゃんに感染する。 クラミジア・淋菌・HIV・HBV・HCV・性器ヘルペス(HSV)・尖圭コンジローマ(HPV)
母乳感染 母乳の中に存在するウイルスを赤ちゃんが口から飲むことによって感染する。 HTLV-1・HIV・(HBV)・(HSV)

表1.母子感染する性感染症

注意1.略号の説明

●HIV=Human Immunodeficiency Virus エイズの原因となるウイルス。

●TP=Treponema pallidum 梅毒トレポネーマという細菌。

●HBV=Hepatitis B virus B型肝炎ウイルス

●HCV=Hepatitis C virus C型肝炎ウイルス

●HSV=Herpes simplex virus 単純ヘルペスウイルス 性器ヘルペスの病原菌

●HPV=Human papilloma virus ヒトパピローマウイルス 6型・11型が尖圭コンジローマの原因となる。

●HTLV-1=Human T-Lymphotropic Virus type Ⅰ ヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型

注意2.母乳感染

●HBV、HSVについては母乳による一過性感染があるそうです。⇒『母子感染から見た性感染症』

注意3.膣トリコモナス症

膣トリコモナスについて、産道感染があるとした性感染症サイトがいくつかあります。いずれも個人が運営されているようなのですが、私が調べた限りでは膣トリコモナス症に母子感染はありません。

例えば、『性感染症治療ガイドライン』(日本性感染症学会)の「膣トリコモナス症」の項に母子感染の記述がありません。また先ほど登場した「母子感染から見た性感染症」にも出てきません。

管理人注記(2017年7月30日)

日本産婦人科医会の「母子感染からみた性感染症」によると、膣トリコモナスは母子感染する可能性がある性感染症となっています。

膣トリコモナスは母子感染しないとした前述を訂正します。

注4.感染確率

今回ご紹介した母子感染のある性感染症を、もしも治療せずにそのまま赤ちゃんを出産したとしたら、いったい母子感染が発生する確率はどの程度でしょうか。私が分かる範囲で調べてみました。ただし、感染確率には諸説あって、どの値がもっとも正確なのか私には分かりません。あくまでも参考値として見て下さい。

●HIV・・・30%

●梅毒・・・ほぼ100%(ソースはこちら

●クラミジア・・・18%~50%(結膜炎)、3~18%(肺炎)(「性感染症STD」南山堂)

●HTLV-1・・・出産時 3%、母乳 20%(ソースはこちら

●HBV・・・ほぼ100%(ソースはこちら

●HCV・・・10%(ソースはこちら

いずれのケースも何も治療をしなかった場合であり、事前に検査で分かっていれば感染確率はどの性感染症も極めて小さくできます。

『母子感染から見た性感染症』によれば、母子感染を必要以上に恐れて中絶したり、妊娠をあきらめたりする必要はありません。しかし、かといって無関心に放置して検査を受けないと万一感染していた場合、生まれてくる赤ちゃんに重大な障害が発生する恐れがあります。

同サイトによれば、もっとも大事なことは、

「母子感染を正確に理解し,適切な対策や治療を行うことが重要である。」

としています。

*やはりHIVは一番気になるし、この際まとめて5種類検査。
■STD研究所 STDチェッカー TypeE(男性用女性用
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