成人T細胞白血病にワクチン
成人T細胞白血病を「がんワクチン」で治療する国内初の臨床研究を、大阪大免疫学フロンティア
研究センターと大阪大病院が共同で計画しています。
年内開始をめざして来月にも学内の倫理審査委員会に申請するそうです。
ニュースソースは2012年1月22日読売新聞朝刊から。⇒『YOMIURI ONLINE』
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・・◇成人T細胞白血病とは、どんな病気か?
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成人T細胞白血病(ATL=Adult T-cell leukemia)は、
THLV-1(Human T-Lymphotropic Virus type Ⅰ=ヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型)
と言うウイルスが感染して白血病、もしくは悪性リンパ腫を発症する病気です。
日本国内にはこのHTLV-1の感染者が100万人以上いるそうです。ただし、THLV-1に
感染した人が全て発症する訳ではなく、凡そ感染者の5%が発症します。
そして、HTLV-1の感染から発症までの潜伏期間は約60年と非常に長いのです。
従って、発症した人では60代、70代の患者が最も多いそうです。
成人T細胞白血病を発症すると、人間の免疫細胞であるT細胞ががん化されてしまい、急激に
免疫力が低下します。そのためウイルス、細菌、真菌などによる日和見感染を発症します。
あるいはリンパ節腫脹、肝脾腫大、皮膚病変、意識障害、白血球数の増加などが見られます。
潜伏期間は長いのに、いったん発症して急性型になると、発症後1年以内に死亡します。
現在、国内では成人T細胞白血病のために毎年約1000人が亡くなっています。
なお、成人T細胞白血病は非常に地域性のある感染症で、国内キャリアは、沖縄、鹿児島、
宮崎、長崎など九州に多くいます。
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・・◇今までは効果的な治療法なし
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今まで、成人T細胞白血病の治療には抗ガン治療や骨髄移植などが行われてきました。
しかし、根本的な治療法は確立されておらず、治療は難しい病気です。
そこに今回、初めてワクチンを使った治療法が臨床試験されようとしているのです。
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・・◇成人T細胞白血病のワクチンって、どんなワクチン?
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普通、ワクチンと言えば病原菌そのものの毒素を弱めたもの(生ワクチン)や、病原菌が作り
だす特定のタンパク質を無毒化したもの(不活化ワクチン)を接種します。
こうしたものが体内に入ると免疫機能が働いて、病原菌やタンパク質に対する抗体が出来ます。
すると、本当に病原菌が感染して侵入してきたとき、すでに抗体が出来ているために免疫力が
あり、発症せずに済んだり、症状が軽くて済みます。このようにワクチンは予防目的で使われます。
今回、大阪大学免疫学フロンティア研究センターが目をつけたのは、「NY-ESO-1」と言う
タンパク質です。これをワクチンとして使おうとする研究です。
「NY-ESO-1」はHTLV-1に感染した患者のT細胞が作り出すタンパク質です。
通常、ガン細胞は異物としては認識されにくく、免疫細胞の攻撃を逃れやすいのです。ところが、
この「NY-ESO-1」を持つガン細胞は免疫細胞が認識して攻撃します。
そこで、「NY-ESO-1」をワクチンとして患者に接種すれば治療効果があり、感染者に接種
すれば発症予防に効果があると期待されているのです。
要するにHTLV-1を攻撃して退治する免疫細胞を活発にさせる訳です。
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・・◇今後の計画は?
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今後の臨床研究計画では、
●現在、抗ガン剤投与の効果が見られない患者数人を対象に、3週間間隔で計6回のワクチン
接種を行う。
●半年間経過観察を行い、ワクチンの安全性を確認する。
●ワクチンの安全性に問題がなければ対象者を20人から30人に増やし、効果を確認する。
このようなステップを踏んだ計画で、年内にも臨床研究を開始するそうです。
この成人T細胞白血病はあなたの自宅でも検査が出来ます。
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