性感染症(性病)の動向(概要)

このページでは、性感染症(性病)の動向について、全体的な概要をお話します。

1.全数報告と定点報告について

日本には、『感染症の予防及び感染 症の患者に対する医療に関する法律』と言うのがあって、この法律に基づいて次の6疾患の動向調査を行っています。

◇HIV/エイズ、梅毒⇒全ての医療機関において、感染者、患者の全数報告

◇クラミジア感染症、性器ヘルペス、淋菌感染症、尖圭コンジローマ⇒指定届け出機関による、定点報告

HIV/エイズと梅毒は、日本全国、どこの病院、クリニックでも感染者や発病後の患者を診察したら、全ての患者を7日以内に最寄の保健所経由で都道府県知事に報告する義務があります。(同法第12条)

クラミジア感染症など、先にあげた4疾患については、都道府県知事によって指定された医療機関においてのみ、患者の報告を所在地の自治体へ報告しま す。(同法第14条)。現在、この指定医療機関は全国に970ほど指定されています。

つまり、HIV/エイズと梅毒は感染者は患者の数が全て把握されていますが、その他4疾患については患者の全数は分からないけど、全国でサンプリン グ調査を行い、その動向は把握している、と言うことです。

HIV/エイズと梅毒は、発病した場合の深刻度が他の4疾患よりも大きく、私たちの生活に及ぼす影響もより深刻なので全数報告となっているのでしょ う。患者を完全に把握することによって、より感染を抑え国民の健康を守ると言う立場かなと思います。

2.各疾患の概略

それでは、先の6疾患の動向を中心に、日本における性感染症全体の動向を見ていきましょう。その前に、まずは簡単に6疾患について、それぞれどんな 病気なのか、ごく簡単に説明しておきましょう。その方が動向のお話も分かりやすいと思います。むろん、詳しくは各感染症ごとの個別ページにて説明します。

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◇HIV/エイズ⇒この性感染症はすでに皆さんご存知でしょう。HIV(ヒト免疫不全ウイルス Human Immunodeficiency Virus)によって免疫不全状態に陥り、様々な日和見感染症を発症します。この状態をエイズ(後天性免疫不全症候群 Acquired Immune Deficiency Syndrome=AIDS)と言います。

つまり、HIVとはウイルスの名前であり、エイズとは、HIVによって複数の病気を発症した状態を言います。実際には23の指標疾患があり、HIV感染者がどれか1つでも発症するとエイズ患者と認定されます。

なお、HIV/エイズに関して、もっと詳しく知りたい人は姉妹サイトをご覧ください、⇒『HIV(エイズ)検査完全ガイド』

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◇梅毒⇒かつては性病の代名詞でした。感染から潜伏と発症を繰り返し、第1期から第4期までに分類されます。第4期までいくと生命にかかわります が、大抵は第2期までに発見され、治療によって治ります。現在のようにいい抗生物質がなかった時代には年間に何千人もの人が梅毒で命を落としていました。

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◇淋菌感染症⇒この病気もかつては梅毒と並んで性病の代表でした。感染したまま放置すると、女性は子宮頸管炎、卵管炎、子宮内膜炎を起こし、不妊症の原因となることがあります。一方、男性は副睾丸炎や慢性前立腺炎などを引き 起こすことがあります。以前は性器に感染する病気でしたが、近年オーラルセックスが一般化し、喉への感染が若者を中心に増えています。

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◇クラミジア感染症⇒日本で一番感染者の多い性感染症です。後ほどグラフをお見せしますが、特に若い女性に多いのです。感染しても自覚症状の出にく い病気です。放置すると、女性の場合は子宮頸管炎、子宮内膜炎、卵管炎などを引き起こし、卵管が詰まって不妊症、子宮外妊娠、流産などの原因になります。 男性は副睾丸炎や慢性前立腺炎 などを引き起こすことがあります。クラミジア感染症も淋菌感染症と同じくオーラルセックスにる咽頭感染が増加しています。

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◇性器ヘルペス⇒日本ではクラミジア感染症、淋菌感染症と並んで感染者の多い病気です。性器に水泡や潰瘍(かいよう)が出来、痛みやかゆみがあります。この病気 もまたオーラルセックスの普及により、唇や喉への感染が見られます。

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◇尖圭コンジローマ⇒性器やその周辺にイボが出来る病気で、病原体はヒトパピローマウイルス(HPV)です。HPVには良性と悪性があり、尖圭コンジローマの場合には良性のHPV6型、11型が検出されます。悪性のHPV16型や18型は長い年月をかけてガン細胞化し、子宮頸ガンの原因となります。

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では、6つの性感染症が凡そどんな症状が出る病気なのか、お分かり頂いたところで、それぞれの感染動向について説明して参りましょう。次の「性感染症の動向(年別)」をご覧下さい。

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