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今回は梅毒感染者の実態についてお伝えします。

ドクター谷口の「セイフティ・セックス講座」と言うブログがあります。谷口医師は太融寺町谷口医院の院長であり、大阪市立大学医学部非常勤講師でもあります。そしてまた、NPO法人GINA(ジーナ)の代表として、タイのエイズ患者支援も行っています。

さて、この「セイフティ・セックス講座」の中にいろんな性感染症のお話が出てきます。これがまた秀逸でとても興味がわく内容となっています。今回は、その中から「増えつづける梅毒」と言うテーマをご紹介します。

谷口医師がブログで私たちに伝えたいメッセージは、次のようなものです。

「梅毒はHIVの何倍も感染者がいて、決して過去の性病ではない。現在も要注意な性病である。しかし、検査で感染が分かれば比較的簡単に抗生物質で完治する。ゆえに、心あたりがあれば検査を受けましょう」

本サイトの「性感染症(性病)小事典」でも梅毒はご紹介しています。その記事の中に、感染者数のデータがあります。そのデータをここに再掲してみます。

◇平成11年(1999年)から平成26年(2014年)までの16年間 全数報告データ使用

梅毒

このグラフのように、ここ数年は梅毒の感染者数は増加傾向にあります。でも、谷口医師によると、実際の感染者数は、こんなもんじゃないそうです。少なくとも年間に3000人以上の感染者がいるはずだと指摘されてます。

いま、HIVは毎年新規の感染者数が1500人くらい報告されています。谷口医師のブログによれば、梅毒の病原体である梅毒トレポネーマはHIVよりも ずっと感染力が強く、HIVの2倍、3倍の感染者がいるはずだと指摘されています。梅毒はコンドームを使用しても感染を完全には防げないのです。

では、なぜ実際の感染者数よりも少なく発表されているのか。その理由は2つあります。

1.医師が梅毒感染者を診察しても、保健所に届け出をしていない。

2.医師が梅毒感染者を診察しても、感染を見落としている。

まず、1番目の理由である報告漏れについて説明します。

実は梅毒はHIVと並んで全数報告が法律で義務付けられた性感染症です。全数報告と言うのは、日本中どこの病院、クリニックで感染者、患者が見つかっても、1週間以内に保健所に届け出る義務のある報告を言います。

一方、定点報告というのもあって、これは全国に970ヶ所ほど指定医療機関が設けられており、そこで診察された感染者、患者が報告されるシステムです。つまり、指定医療機関以外には報告の義務はありません。

谷口医師の指摘によると、梅毒は全数報告なのだけど、報告の手続きが面倒なことと、抗生物質で比較的簡単に完治するため軽く扱われて報告されないケースが多々あるのだそうです。

梅毒に比べてHIV感染は現在のところ完治することは出来ないし、社会的な扱いも梅毒よりずっと注目されているため、まず間違いなく全数が報告されているそうです。

次に2番目の理由なのですが、梅毒が増加傾向にあると言っても、過去に比べれば少ないのは事実であり、症例を知らない、体験したことのない医師が沢山いるのです。そんな医師が、判断のつきにくい梅毒患者を診察したときに、見逃してしまうケースがあるのだそうです。例えば、単なる皮膚病として処理されてしまうことがあるそうです。

こうして梅毒感染者は実際の数よりも少なく報告され、あまり注目されていないのです。確かに抗生物質を1ヶ月くらい服用すると完治するのですが、母子感染の問題もあって、妊娠、出産を迎える女性には要注意と谷口医師は警鐘を鳴らしています。

何度も書いているように、梅毒は現在では抗生物質の使用で完治する性感染症です。しかし、抗生物質が出てくるまでは死の病として恐れられました。それこそ世界中で大流行し、多くの死者が出たのです。

日本においても、1947年(昭和22年)の報告を見ると、梅毒に感染した人は実に148,191人もいて、亡くなった人も4,444人いるのです。今では信じられないよ うな数字です。

あなたも身体にしこりが出来たり、皮膚に発疹が出たときは用心して下さい。念のためで終わるかも知れませんが、検査を受けておけば安心です。

最後に1つだけ、私からの情報も付け加えておきます。私が保健所にHIV検査を受けに行ったときにもらった冊子には、HIVと一番重複感染が多いのは梅毒だと書かれてありました。そして重複感染すると梅毒の進行が早まり、しかも重症化すると書かれてありました。

性感染症の中でもHIV、梅毒の2つは全数報告が義務付けられているほど要注意疾患です。その2つが重複感染しやすいのです。同じ血液検査ですぐに感染の有無が分かりますから、もしもあなたに思い当たる過去や不安があるなら、同時に検査を受けることをお勧め致します。

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