2010年の新規エイズ患者は453人で過去最高でした。これは2月7日にエイズ動向委員会から発表になった数字です。2010年の3ヶ月ごとの中間報告を見ていると、多分HIV感染は拡大しているんだろうなと思ってはいましたが。やっぱり、と言ったところです。

では、エイズ動向委員会から報告された主な数字をあなたにご紹介致しましょう。

・・1.新規HIV感染者

2010年に新しくHIV感染者として報告された件数は1,050件でした。これは過去3位となる件数です。ちなみに過去最高は2008年の1,126件です。2010年はこれより76件少ないだけなので、過去3位といっても減少傾向に入った訳ではありません。

むしろ、2009年の1,021件より29件増加しており、感染は依然として広まっていると言えます。

・・2.新規エイズ患者

2010年に新規エイズ患者として報告されたのは453件で過去最高の件数となってしまいました。これまでの最高は2008年と2009年の431件でした。2010年はいっきに22件増えた訳です。

ここで、新規エイズ患者の増加と「いきなりエイズ」についてふれておきたいと思います。エイズ動向委員会から報告される新規エイズ患者とは、新規HIV感染者と重複しないようにカウントされています。

例えば、2009年に新規HIV感染者として報告された人が、2010年にエイズを発症しても新規エイズ患者としてカウントされることはありません。その場合にはHIV感染者の病変件数としてカウントされます。

すなわち、新規エイズ患者とは、自分がHIVに感染していることに気がつかず、「いきなりエイズ」を発症した患者を言います。2010年は「いきなりエイズ」が過去最高だった訳です。

・・3.いきなりエイズの問題点

日本では毎年HIV感染者として報告された人の約30%が「いきなりエイズ」を発症しています。このサイトでもいくつかの記事でご紹介していますが、抗HIV治療においては、エイズ発症前に治療を開始した方がその後の経過はずっといいのです。

一度感染してしまったHIVを完全に除去することは出来ませんが、エイズの発症を抑える(遅らせる)ことは可能になりました。かつて25歳でHIVに感染すると平均余命はわずかに7年だったのが、現在では40年と推定されるまでになりました。

従って、仮にHIVに感染しても「いきなりエイズ」発症前に検査で分かれば効果的な抗HIV治療が可能なのです。むろん、抗HIV治療は「いきなりエイズ」の患者に対しても有効であり、免疫力を回復させることが可能になりました。

しかし、HIV感染から120周(2.3年)経過した時点での患者の生存確率を比較すると、エイズ発症前に治療開始した場合が99%なのに対して、エイズ発症後の治療では80%となっています。(国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター2007年のデータ)

こうした背景があるだけに、「いきなりエイズ」が過去最高の件数になってしまったことは非常に残念なことであり、より早期の検査を普及させる必要があります。

・・4.年齢別HIV感染者・エイズ患者

2010年の新規HIV感染者、新規エイズ患者の年齢別分布を次のグラフから見てください。

エイズ患者、HIV感染者、ともに30代が一番多いのですが、しかし40代、50代以上にも広まっているのが分かります。特に新規エイズ患者、すなわち「いきなりエイズ」は高齢者に多いことがグラフから分かります。

・・5.中高年者が危ない

これは私の推測なのですが、40代、50代以上の中高年者は、若い世代に比べてHIV感染に対する危機感が薄いのではないでしょうか。「自分がまさかHIV感染なんて・・・」とか、「エイズなんて関係ない・・・」なんて思っている人が多いのではないかと思うのです。

私は現在、50代ですが、私の友人、知人でHIV感染やエイズ患者に対して関心がある者はほとんど皆無に近いものがあります。HIV検査を受けた話など聞いたことがありません。むろん、人には言い辛い内容だから本当は検査を受けた者が何人かいるのかも知れません。

しかし、けっこうヤバそうな友人とお酒の席などで突っ込んだ話をしてみても、一向に危機感は伝わってきません。何だかノーテンキな気配ばかりが伝わってきます。

あなたの友人や周囲の中高年はいかがでしょうか。そして、あなたご自身はいかがでしょうか。HIV感染は若者だろうが中高年だろうが、年齢を問いません。HIV感染リスク、いきなりエイズ発症リスクは同じです。

そして、更に言うなら中高年の場合は家庭や職場などへの配慮、世間体が気になって、HIV検査を受けにくいと言う側面もあると思います。仮にHIV感染が不安になったとしても、検査をためらって受けない人が多くいるのではないでしょうか。

私の知人で50代半ばの女性が一人いるのですが、彼女はちょうど1年くらい前にHIV感染の不安を持ちました。でも、どうしても保健所に行くことが出来ませんでした。何故なら、彼女の住んでいる町は地方の小さな町で、世間体が気になったからです。

彼女には仕事も家庭もあって、どこで誰に見られるかも知れないと思うと保健所に行けなかったのです。そして、自分の年齢でどうしてHIV検査を受けにきたのか、それを勘ぐられるのが嫌だと言いました。

結局、私がHIV検査キットを購入してあげて、彼女に渡し、検査を受けさせました。検査結果は幸運なことに陰性でした。

繰り返しになりますが、2010年、「いきなりエイズ」の件数は過去最高でした。「いきなりエイズ」を防ぐには早期のHIV検査しかありません。それがあなたの命を救うことになるかも知れません。

以上、2010年のエイズ動向について、2011年2月7日にエイズ動向委員会から報告された数値をご紹介致しました。

最後に、ご参考までに私と、私の知人女性が使ったHIV検査キットをご紹介しておきます。保健所には行きたくないあなたは参考にしてください。

*私と知人女性が使ったHIV検査キットです*

・STD研究所 STDチェッカー TypeJ(男女共用)


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