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性感染症の動向2016年

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厚生労働省が2017年3月に公開した2016年の性感染症動向をまとめてみました。

また、エイズ動向委員会が2017年3月に公開した2016年エイズ動向速報を合わせてご紹介します。

今回ご紹介するのは以下の性感染症についての2016年動向です。

1.HIV/エイズ

2.梅毒

3.クラミジア感染症

4.淋菌感染症

5.性器ヘルペス

6.尖圭コンジローマ

では本文にて詳細を説明したいと思います。

 

1.HIV/エイズ

厚生労働省エイズ動向委員会が公開した2016年エイズ動向から、以下のデータをご紹介したいと思います。

●新規HIV感染者/新規エイズ患者の報告件数

●感染ルート

●年代別感染者分布

●都道府県別感染者

では1つずつみて行きましょう。

●新規HIV感染者/新規エイズ患者の報告件数

HIV・エイズ
図1.HIV感染者/エイズ患者の推移

図1をご覧頂いてお分かりのように新規HIV感染者、新規エイズ患者ともに近年は横ばい状態が続いています。

むろん、新規HIV感染者についてはHIV検査を受けて報告された件数のみです。

HIV検査を受けない潜在的なHIV陽性者もいるのは間違いありません。

その潜在的HIV陽性者についてはこの記事をご覧ください。

『日本の潜在的HIV感染者、5800人!』

厚生労働省の推計では潜在的HIV陽性者は5,800人なのだそうです。

この数字、あなたは大きいと思いますか?小さいと思いますか?

 

●感染ルート

では、次に2016年に報告された新規HIV感染者、新規エイズ患者の感染ルートを見てみましょう。

1)新規HIV感染者感染ルート

HIV感染ルート
図2.HIV感染者感染ルート

図2のように、同性間の性的接触が最大感染ルートになっています。ここで言う同性間は全て男性同士です。

こちらもこんな関連記事があります。

『番外編!なぜ男性同士の性的接触でHIV感染が多いのか?』

2)新規エイズ患者感染ルート

エイズ感染ルート
図3.エイズ患者感染ルート

新規エイズ患者に関しても最大感染ルートは同性間の性的接触であり、こちらも全て男性同士となっています。

●年代別感染者分布

次は新規HIV感染者と新規エイズ患者の年代別分布を見てみましょう。

1)新規HIV感染者分布

HIV年代別
図4.HIV感染者分布

図4をご覧頂いてお分かりのように、20代から40代に多く感染者が分布しています。

ただし50歳以上にも全体の13%が存在しており、HIV感染に年齢は関係ないことが分かります。

2)新規エイズ患者感染分布

エイズ年代別
図5.エイズ患者分布

新規エイズ患者に関しては50歳以上が全体の約3割を占めています。

これはHIV感染からエイズ発症までに数年の潜伏期間があることも理由の1つです。

同時に、高齢者ほどHIV検査を受けない、と言う背景もあると思います。

エイズを発症してからHIV感染に気付く、いわゆる「いきなりエイズ」は高齢者になるほど比率が高くなっています。

エイズで亡くなる患者さんは激減していますが、それでもエイズ発症前の治療の方が生存率が高いし後遺症の心配も少なくて済みます。

早期のHIV検査は救命的検査となります。

●都道府県別感染者

次は全国都道府県別の新規HIV感染者、エイズ患者の件数です。

2016年と過去の累計を表にしてみました。

区分 新規HIV感染者 新規エイズ患者
都道府県 2016年 累計 2016年 累計
北海道 22
292 19 174
青森県 2 51 2 32
岩手県 2 30 0 32
宮城県 9 132 3 91
秋田県 1 23 1 24
山形県 3 28 0 23
福島県 7 75 5 50
茨城県 9 537 5 326
栃木県 4 246 6 199
群馬県 7 195 9 143
埼玉県 26 528 14 355
千葉県 32 798 19 542
東京都 365 7,017 97 2,119
神奈川県 56 1,264 26 619
新潟県 2 92 2 60
山梨県 7 115 2 49
長野県 2 303 2 196
岐阜県 20 161 6 124
静岡県 15 423 7 208
三重県 8 157 5 89
愛知県 69 116 32 576
富山県 3 40 2 31
福井県 0 48 0 34
石川県 4 80 0 38
滋賀県 6 79 4 65
京都府 13 244 7 121
大阪府 140 2,417 47 785
兵庫県 20 406 15 229
奈良県 1 108 2 73
和歌山県 5 66 1 50
鳥取県 1 15 1 17
島根県 1 19 1 8
岡山県 10 141 2 76
広島県 15 224 2 113
山口県 6 64 1 22
徳島県 6 41 1 22
香川県 4 61 1 46
愛媛県 4 78 5 59
高知県 5 40 4 28
福岡県 44 509 47 277
佐賀県 3 33 6 20
長崎県 0 49 2 34
熊本県 14 91 5 62
大分県 4 54 3 29
宮崎県 3 52 3 41
鹿児島県 6 85 6 65
沖縄県 17 222 5 113
合計 1,003 18,851 437 8,493

表1.都道府県別新規HIV感染者と新規エイズ患者

東京、神奈川、大阪など、人口の多い都会にHIV感染者、エイズ患者が多く報告されています。

ただし、こうした都会では「いきなりエイズ」の比率は全国平均より低いところが多いのです。

逆に、あまり人口の多くない都道府県で、報告件数は少ないけど「いきなりエイズ」の比率は高い、と言った傾向も見られます。

こうした県はHIV感染に対する意識、危機感が薄く、自らHIV検査を受ける機会が少ないなどの理由があるのではないでしょうか。

また保健所などの無料でHIV検査を受ける環境の差も影響しているかも知れません。

大都市では検査施設も多いし、休日や夜間のHIV検査もやっている所もあります。やはり地方は利便性に劣ります。

HIV/エイズについて詳しく知りたいあなたはこちらから。

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2.梅毒

「梅毒は昔の性病」

「症状が出てから病院へ行けばすぐ治る」

あなたは梅毒についてこんなイメージを持っていませんか?

それは大間違いですよ!

確かに数年前までは新規梅毒感染者は年間で800人程度でした。

しかし、2016年は42年ぶりに4,000人を軽く突破しました。

そして2017年は更に増えるペースで報告されています。

また、一般に梅毒は感染すると特徴的な症状が出ると思われていますが、実際にはそうとは限りません。

日本性感染症学会の資料によると、2015年に報告された新規梅毒感染者のうち、約1/3は無症候梅毒だったのです。

詳しい記事はこちから。

『無症候梅毒感染者はこんなにいる!』

1)男女別感染者の推移

まず、男女別の新規梅毒感染者の推移を見てみましょう。

梅毒男女推移
図6.梅毒感染者の推移

図6をご覧頂いてお分かりのように、ここ数年で新規梅毒感染者は急増しています。

特に若い女性にも感染者が多く、その為に母子感染による先天梅毒も増えています。

2)年齢別分布

梅毒年齢
図7.梅毒感染者の年齢別分布

上のグラフを見て頂くとお分かりのように、女性(赤い棒グラフ)は20代に集中しています。

一方、男性(青い棒グラフ)は20代から60代以上まで、まさに年代に関係なく感染者がいることが分かります。

先ほども書きましたが、梅毒は感染しても無症候梅毒の可能性もあります。

あなたに何の自覚症状が無かったとしても不安を感じたら早めの梅毒検査をお奨め致します。

梅毒をもっと詳しく知りたいあなたはこちらから。

『梅毒』

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3.クラミジア感染症

性感染症の中で最も感染者が多いと言われているのがクラミジアです。

無症候のキャリアを入れると国内に100万人以上の感染者がいると言われています。

何しろクラミジアは感染しても女性の80%、男性の50%には自覚症状が出ないとされています。

それゆえ二次感染が広まり、多くの感染者を生み出していると思われます。

1)クラミジア感染者の推移

クラミジア推移
図8.クラミジア感染者の推移

男性も女性も感染者は減っているよう見えます。

しかし、クラミジアの場合はHIVや梅毒と異なり、全数報告ではありません。

いわゆる定点報告と言われるもので、全国の960ヶ所の予め指定された医療機関で見つかった感染者だけが報告されます。

言わば抜き取り検査みたいなものです。クラミジア感染の動向を測るための報告です。

従って、クラミジア感染者の正確な件数は分かりません。

ましてやクラミジアは感染しても症状が出ないことが多いので無症候キャリアが大勢いると思われます。

厚生労働省などが調査班を作って行った調査では推計で100万人近い感染者がいるのではないかと言われています。

2)クラミジア感染者の年齢別分布

クラミジア年齢
図9.クラミジア感染者の年齢別分布

図9をご覧頂いてお分かりの通り、20代女性に特に感染者が多くなっています。

そしてクラミジアは感染に気付かず放置していると卵管炎などを引き起こし、不妊症の原因になることもあります。

自覚症状が出にくい感染症だけに、あなたに何も症状がなくても感染不安があれば早期にクラミジア検査を受けるようお奨め致します。

クラミジアについてもっと詳しく知りたいあなたはこちらからどうぞ。

『クラミジア』

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4.淋菌感染症

淋菌感染症もまた、クラミジアと同じように感染しても症状が出にくい病気です。

男性は比較的強い症状が出ますが、女性はクラミジアとほぼ同程度に出ません。

それで感染に気付かず放置しているとクラミジア同様、不妊症の原因となる可能性があります。

1)淋菌感染者の推移

淋菌推移
図10.淋菌感染者の推移

グラフでは平成21年(2009年)まで淋菌感染者は減少し続け、その後の7年間はほぼ横ばい状態のようです。

ただ、これも全数報告ではなく、定点報告の件数です。

また、淋菌感染の特徴として圧倒的に男性の方が感染者が多くなっています。

この理由を色んな専門書や医療サイトで探してみると、たいていはこう書かれています。

「女性の場合は男性と違って感染しても症状が出にくい。自分が感染していることに気付かない女性が多い。」

つまり、実体としてはもっと女性の淋菌感染者がいるけど気付いていないだけだと言う説明です。

まぁ、医療の専門家が皆さんそう言うのですから、そうなのでしょう。

しかし、淋菌感染症も基本的に自然治癒はありません。いくら気付きにくいと言っても、何年かすれば感染が分かるのではないでしょうか。

個人的にはどうもこの説明は納得出来ない気がします。

2)淋菌感染者の年齢別分布

淋菌年齢
図11.淋菌感染者の年齢別分布

淋菌感染者は20代をピークにして段々と高齢になるに従って感染者が減っていきます。

これは単純に感染機会の数の問題でしょうか。淋菌は非常に感染力が強いので、感染は性行為の回数に比例するような気がします。(あくまで個人的な感想であり裏付けはありません)

淋菌感染症についてもっと詳しく知りたいあなたはこちらからどうぞ。

『淋菌感染症』

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5.性器ヘルペス

性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(SHV)の感染によって発症する感染症です。

一度感染すると再発することが多い感染症です。

1)性器ヘルペス感染者の推移

性器ヘルペス推移
図12.性器ヘルペス感染者の推移

図12のグラフのように男性よりも女性の感染者が多く、またこの5年間はずっと増加傾向にあります。

性器ヘルペスに感染しているとHIVにも感染する確率が高くなることが分かっています。

2)性器ヘルペス感染者の年齢別推移

性器ヘルペス年齢
図13.性器ヘルペス感染者の年齢別推移

性器ヘルペスは20代から30代までをピークに高齢になると感染者が減っています。

しかし、60歳以上になるとまた感染者が急増します。

これは高齢化による体力、免疫力低下によって体内に潜伏していた単純ヘルペスウイルスが再び活動を始めるためだと言われています。

多くの性感染症の本や医療サイトにはそう説明されています。

確かに60歳以上になって急に感染機会が増えるとは思えませんから、その説明は正しいのだと思います。

再発の多い、やっかいな性感染症の1つではあります。

性器ヘルペスをもっと知りたいあなたはこちらからどうぞ。

『性器ヘルペス』

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6.尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(以下HPVと表記)による性感染症です。

1)尖圭コンジローマ感染者の推移

尖圭コンジローマ推移
図14.尖圭コンジローマ感染者の推移

尖圭コンジローマも定点報告なのですが、それを前提に最近の動向を見ると、男性は増加傾向、女性は減少傾向と分かれています。

正直、尖圭コンジローマがHIVや梅毒みたいに大々的にメディアに取り上げられることはまずありません。

あるいはクラミジアや淋菌みたいにネット上の相談サイトに度々登場することもありません。

そもそも尖圭コンジローマと言う性感染症を知らない人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。

でも、この尖圭コンジローマは感染すると非常にやっかいです。

くれぐれも感染予防にはご注意下さい。

2)尖圭コンジローマ感染者の年齢別分布

尖圭コンジローマ年齢
図15.尖圭コンジローマ感染者の年齢別分布

尖圭コンジローマは20代、30代に感染者が多く分布しています。

しかし、60歳以上の高齢者にもそれなりに感染者が多くいます。

尖圭コンジローマをもっと知りたいあなたはこちらから。

『尖圭コンジローマ』

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以上、厚生労働省が全数報告に指定している2疾患、定点報告に指定している4疾患、合計6疾患について2016年の動向をお伝え致しました。

あなたの感染予防、検査にお役立て下さい。

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